松山リハビリテーション病院

高次脳機能障害について

高次脳機能障害とその問題

高次脳機能障害とは、病気やケガなどにより脳に損傷を受け、記憶力や注意力、行動力などに問題が起こった状態をいいます。手足の麻痺や嚥下機能などの身体的障害ではなく、「考える」「判断する」「予測する」といった人間として社会活動を営む上での重要な精神活動に代表される「高次な脳機能におきた障害」と言えます。高次脳機能障害の特徴的な症状は、前述の「考える」「判断する」「予測する」といった活動が苦手になったりするほかに、「物忘れ」「意欲低下」「子供っぽい行動」「怒りっぽい」などがあげられます。

これらの高次脳機能障害は、一見しただけでは気付かないことが多いため、「隠れた障害/目に見えない障害」ともいわれます。

手足は動くのに今までのように仕事が出来ない、人と上手く付き合えないなどの状況が生じるため、本人や家族にとって大きなストレスになります。また、周囲の人もどのように接したらよいか分からず、軋轢を生んでしまったり、本人や家族が孤立してしまうといった問題もあります。

これらの問題は職業復帰や就学への障害となることが多いため、積極的に関わっていくことが重要です。

[症状別]高次脳機能障害について

高次脳機能障害のスクリーニングキット

リハビリテーションの流れ

高次脳機能障害に対して、当院では病気や事故で入院した救急病院から、身体の状態が安定した方を受け入れています。また、既に地域で生活されている高次脳機能障害患者様からの相談も承っております。

発症・受傷間もなく、当院に入院された方に対しては、回復期と呼ばれる時期の集中的なリハビリを実施しております。

また、発症から何年も経過しており、既に地域で生活されている高次脳機能障害患者様に対しても、症状把握の為の検査や診察などの支援や、リハビリテーションを行っています。

回復期リハビリテーション

高次脳機能障害に対するリハビリテーションでは、まずその方の症状を正確に把握する事が大切です。

検査を行なう事で、障害されている能力だけでなく、障害されていない能力を把握することが出来ます。それを元にして、本人や家族に今起きていることを理解してもらい、苦手な分野を克服したり、得意な分野で補ったりする、リハビリテーションの方針を決定する事が出来ます。

細かい検査へ

回復期は、改善がより期待される時期と言われており、積極的に運動障害や高次脳機能障害に対する機能回復を促していくことが大事になります。

リハビリテーションの方法は大きく3つに分けられます。

1.障害されている能力自体を訓練で向上させていく「機能訓練」
例)神経衰弱などの記憶訓練
書取りなどの一つの物事に集中し続ける訓練
2.保たれている能力を有効に活用する技術を身につける、「代償手段獲得訓練」
例)日記やメモで、記憶力の低下を補う練習
日程表やアラームなどで時間を管理、利用する練習
3.周囲の人との関わり方や、ご自宅の環境を変えることで生活しやすい状況を提供する、「環境への働きかけ」
例)自分の部屋に目印を付ける。
何かを説明するときは、混乱を避けるために、周りの人が対応を統一しておく。

以上の3つです。

これらの関わり方は、それぞれが補い合って成り立っていますので、どれかが欠けても不完全になります。高次脳機能障害を発症されてからの期間、個人の能力、性格、置かれている状況、症状の経過などで、配分が変わっていきます。

例)
・入院当初は機能訓練を中心に行い、徐々に代償手段の訓練や環境調整を中心に行う訓練へ移行していくケース。
・発症されてから期間が長い為、機能訓練よりは代償手段の訓練を中心に行って、困っていることに直接介入するケース。

復職・復学へのアプローチについて

若年者では高次脳機能障害を発症する主な原因として、交通事故や業務中での事故が多いため、復学・復職を含めた社会復帰への訓練・支援が重要となります。残存能力と障害された能力の双方を考慮し、できること・できないことに対する工夫や代償方法のアドバイス、職場・学校など復帰先での環境・人員配置等を含めた情報交換を行います。

ご相談は、高次脳機能障害支援室へ

地域で生活される高次脳機能障害の方に対して

急性期・回復期のリハビリテーションを経て、地域で生活されている当事者の方に対しては、日常・社会生活などの生活上で生じてくる問題点に対して、個別の相談や対応方法の検討を行います。また、重要な支援者であるご家族に対しても、当事者の方への関わり方やサービス利用の説明などの支援・指導を行います。

ご相談は、高次脳機能障害支援室へ

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